物流における倉庫の必要性と経済性

今日では物流の発達とインターネットでの買い物により、注文した商品が翌日、さらには当日の夜には手に入る、という便利な時代になりました。とはいえ販売関係者は見えないところでさらに多くの努力をしています。納期が短いということは、商品は売れ行きを正確に、予想を立てた上で事前に計画的に生産され、さらに製品在庫はいつでも出荷できるようにスタンバイしていなければなりません。こうした手間は消費者の目に見えないところで負担されていますが、その中でも物流業における機能が重要な役割を占めていることになります。そして消費者の目に見えないということは、いかにデフレ経済下であるとは言え、そこに多くのコストは掛けられないという事情もあります。それでは今日の物流において、生産と在庫ストックはどのように機能しているのでしょうか。

生産効率を上げる製造業の試みが先行した

1970年代以降の製造業では、徹底的に無駄を排するため、部品在庫をゼロにするという試みがなされました。生産がストップしないギリギリのところで生産ラインに部品が供給できれば、部品在庫をゼロにすることが論理的にはできます。そのためより上流の加工工程では、必要なものを必要な時にだけ生産するという方式を徹底しました。そしてこの論理は、協力会社の部品納入にも展開されました。例えばメーカーが1ヶ月に使用する部品量は、金型成形で生産を行なう協力会社にとっては、たった1日で出来てしまう分量です。しかしメーカーの生産ラインでは在庫を持たないため、1日に何度も同じ部品を繰り返し納入することになります。これでは協力会社に大きな負担をかけることになりますが、物流上倉庫業を営む企業を間に挟むことで、協力会社は1ヶ月分の部品を一括納入しても倉庫業者がメーカーの要望通りに分納するというサービスが始められました。

あらゆる分野に展開した効率化方式

先述の生産方式は、まずトヨタ自動車の生産ラインで「かんばん方式」と称して始められました。この試みが成功すると、瞬く間に製造業はこの方式を取り入れ、日本式の生産効率化として定着しました。この試みを支えたのは協力会社の柔軟な対応力のおかげでもあるのですが、実務的には配送業者が大きな力を発揮しています。メーカーが部品在庫を持たないということは、どこかで部品が確保され、それを適切に納品管理するシステムが必要になってきます。部品生産を行なう協力会社だけがこの役割を負担すると大きなコストが発生してしまいますが、部品在庫のストックとメーカーが要望する納入形態を請け負う業者が存在すれば、この問題は一気に解決することになります。倉庫業という業態自体は決して新しいものではなく、むしろ衰退気味でさえあったのですが、メーカーの生産だけでなく、大手EC販売業者などもこのシステムを取り入れているため、今日的意味で生まれ変わったと言えるのです。