日本経済における倉庫事業と物流

一般消費者と直接的な付き合いが少ないこともあり、国民の大多数が倉庫で何をしているのかイメージがわきにくいです。TVで広告を出すわけでもありませんし、地味な業界です。メーカーが生産活動を行います。製品が完成し、まず向かう先はオーダーメイドでない限りは物流施設です。一旦製品は安全な場所に保管され、出荷を待ちます。在庫を持たない、というと聞こえはいいですが、買主の求める納期に間に合わせるには在庫を持たないという選択肢はリスクが大きいです。よほど製品の賞味期限が短い場合を除けばの話です。ネット通販が年々取扱拡大を見せており、消費拡大の一翼を担っていますが、通販は納期が勝負ですので、商品を預かる人と運ぶ人がいなければ成り立ちません。よって多大なる貢献をしていることは明らかです。

倉庫はこういう場所に立地し、地域経済に貢献しています

首都圏では圏央道が毎年のように部分開通を繰り返し、今や常磐道から東名高速まで一本の道でつながるようになりました。物流拠点は機動性と広大な土地を重視しますので、圏央道のインター付近にどんどん倉庫の建設・開業が進んでいます。街中では渋滞があるし、広大な土地を取得するにはコストがかかりますので、地価が安くてアクセスがよい地域を選ぶのです。最新鋭の施設では自動化・システム化を進めているとはいえ、出荷の際にはピッキング、すなわち商品を探して1階まで下す行為には大勢の労働者を必要とします。メーカーの工場の海外移転が進み雇用が縮小していた地域では、物流施設は新たな労働者の受け皿となり、雇用を生み出しています。労働者が集まれば商店の売り上げも増え、人口も増えるので街の活性化にも一役買っています。

地域によってはトラック手配に難があります

上記のとおりメリット大ということで施設が多数できていますが、ひとつ懸念材料があります。トラック需要が追いつかなくなるリスクがあります。トラック業者は事業拡大を進めていることかとは思いますが、新興住宅地の幼稚園入園の競争が激しいのと同じ理屈で、連休前の金曜日などの出荷が集中する日はトラックの手配が厳しくなることが見込まれます。また、東京・大阪などの大都市に比べるとトラックの荷受け〆切時間が早めのことが多かったり、翌日納入可の区域が狭い場合もあります。よって、ピッキング作業を急ぎやらなければならないことがあります。よって、地方で配送センターをやっていたもののトラックの手配に不満がある、という理由で大都市での業務に切り替える動きをする会社もあります。